
イベントの背景
フラワーライフ振興協議会では、コロナ禍によって生じたフラワーロス(花の廃棄問題)を解決するために、花の流通を促し需要を喚起することで持続可能な生産者支援につなげ、花による賑わいの回復、そして花文化を広く発信してゆくことで、花の魅力を伝え、花を通じた新たな生活様式(ニューノーマルなフラワーライフ)を創出することを目的とし、活動しています。
地元の文化や伝統に触れながら花の魅力を知ってもらう「スマフラフェス」を、全国の国宝・世界遺産など主要観光地を中心に催しています。
イベントレポート
今回ご紹介するのは、奈良県の世界遺産・興福寺で11/13(土)、14(日)に実施したスマフラフェス「2万本の花で荘厳する祈りの2日間」。
その様子をお届けします。
興福寺は、法相宗の大本山として知られています。日本彫刻史上最高の美少年といわれる「阿修羅像(あしゅらぞう)」があるお寺としても有名です。天智8年(669)、藤原鎌足が京都山科に建立した「山階寺」を前身とし、和銅3年(710)の平城遷都に伴い現在地に移転されました。1998年には、世界文化遺産「古都奈良の文化財」の構成資産の1つとして登録され、奈良を代表する主要観光地として人気スポットです。
※参考:興福寺公式サイト
今回は、日本一の菊産地である奈良県平群(へぐり)の農家さんが育てた小菊を中心に、2万本の花を買い上げ献花奉納を行いました。
菊には「邪気払い」「無病息災」「延命長寿」という意味があるとされています。実はここ奈良でも、天平時代に天然痘と呼ばれる疫病が流行し、お経が上げられたという歴史がありました。世界中の人々がコロナの厄災に苦しめられている今、菊の花の生命力を借り、みなさまの健康と平和を願い、草木国土一切の諸願成就のために祈りを捧げます。
「奉納献花」
中金堂にて現在実施しております!!! pic.twitter.com/ktoWr3HIpn— フラワーライフ振興協議会 (@flower_life_org) November 14, 2020

通常の法要では、諸仏を供養するために花や葉を撒き散らす散華(さんげ)が行われます。1200年以上も前から続くもので、花の香りによって悪い鬼神などを退却させ、場を清めて仏を迎えるためとされています。
もともとは、蓮などの生花が使われていましたが、現在は蓮の形を模った紙で代用されるようになりました。
今回の散華は、菊の生花を使い厳粛に法要が執り行われました。
撒かれた散華は持ち帰るとご利益があるとされており、今となっては珍しい生花の散華は、多くの方がお守りとして持ち帰られました。
開催期間中、様々なお花のオブジェが登場しました。
最後に
当日は地元の方を中心にたくさんの方にご来場いただき、奈良の歴史とお花に親しむ様子が見受けられました。
世界遺産の興福寺中金堂(奈良市)が14日と明日15日、2万本の花で彩られます!「フラワーロス」を無くそうという取り組みです。辻明俊執事は「お香とお花で供養してきたが、このままだと花農家さんが種をまかない日が来るかもしれない。問題の深さや切実さを知ってほしい」。午前9時〜午後5時。 pic.twitter.com/qjCWQh5DVS
— 西尾 邦明 (@KuniakiNishio) November 13, 2020
興福寺で撮ったお花の写真を会社の人に送ったら、その方が写真を見て、お花を飾りたくなって買いに行ったそうです🌼聞いて嬉しくなりました☺️フラワーロスをなくそうという取組みが広まっていくと良いですね✨ pic.twitter.com/ZKFjyQ8E0q
— YURI (@yuriP0811M) November 16, 2020
最後に、「お花のある暮らし」を楽しんでいただくため、仏様へお供えしお経を上げていただいたお花たちから、ご来場いただいた皆さまに好きなお花を選んでお持ち帰りいただきました。
ひとり5本、頂戴できます。
17時以降も配布があるそうですよ(^^)わたしは紅白にしました。#興福寺#スマフラフェス#フラワーロス pic.twitter.com/1VXWbuD4QE
— 興福寺カタチづくる部材 (@BuzaiKohfukuji) November 15, 2020
今後も各地でスマフェスを実施しますので、お楽しみに!!