イベントの背景
フラワーライフ振興協議会では、地元の文化や伝統に触れながら花の魅力を知ってもらう「スマフラフェス」を、全国の国宝・世界遺産など主要観光地を中心に催しています。
イベントレポート
今回紹介するのは、昨年11/28(土)〜29(日)岡山県備前市にある特別史跡旧閑谷学校にて行われたスマフラフェス「FLOWER EXHIBITION IN SHIZUTANI-『温故知新』」。
イベントレポートをお届けします。
スマフラフェスでは、毎回多くの花を取り寄せて各会場を彩っており、今回は展示・デモンストレーション・花摘み用に計約6,000本のお花をお取り寄せしました。
特に注目いただきたいのが、岡山県を代表するお花・倉敷船穂のスイトピー。船穂は、スイートピー出荷量全国3位を誇り、高い品質を維持していることで人気です。
儚げなピンクが可愛らしいですね。
会場となるのは、特別史跡 旧閑谷(きゅうしずたに)学校
旧閑谷学校は、1670年に岡山藩主池田光政によって創建されました。350年の歴史を誇り、現存する世界最古の庶民のための民間学校です。
国宝・重要文化財に指定されいるのは、江戸中期頃に建設された公門一棟。備前焼の本瓦葺きが特徴的で、左右一対のシャチホコが目立ちます。
今でも当初の地方のリーダーを養成するという池田光政の想いを受け継ぎ、研修生は「学ぶ心・礼節を重んじた近世の教育」を大切にし、講堂の床に正座して論語を学ぶようです。
※参考:特別史跡旧閑谷学校「旧閑谷学校の概要」
今回は「温故知新」をテーマに、準備してまいりました
温故知新は、その文字通り「前に学んだことや昔の事柄を調べ直し、新たに新しい知識や道理を探り当てること」です。
日本人の伝統である花を飾る文化。これをもう一度考え直し、現代にあった花を飾る文化を継承することが大切だと考えました。花を飾る舞台「旧閑谷学校」も、350年前から学びの文化の根を絶やさなかったように……。
そんな願いを込めて、この会場を選びました。
さてイベント当日は、参加者の皆さんに生花の魅力を知ってもらうため、様々なプログラムを用意しました。
デザイナーとして協力していただいたのは、杉本洋一さんです。杉本さんは、世界最高峰のフラワーコンペ、インターフローラワールドカップ2019の日本代表として出場し、TOP10入りを果たすなど気鋭のフラワーアティストです。
「小さな花々がダイナミックに」大型作品展示
岡本県産のスイトピーをはじめ、バラやダリアなど約50種類の花で6種類の大型フラワーアートを制作。アーチ状の木の花台にびっしりと花が敷き詰められ、ひとつのアート作品として参加者を魅了しました。そのほかにも、半円状の花壇や筒状の容器に生けられた花など様々な雰囲気の展示作品が並べられました。
デザイナーの杉本さんは「今の若い人達はドライフラワーを飾る傾向が強いなか、生花を飾る素晴らしさを伝えたいと思い作品を作りました。そのため直感的に、素敵で美しいと思ってもらえるようなデザインを意識しました。」と話しています。
花摘み用に2,000本を用意
来場者には無料で、ガーベラの花をプレゼント。自分の好きな花を選び、写真を撮るなどして楽しんで下さいました。
フラワーデモンストレーション
今回の目玉となるのが、杉本さんによるフラワーデモンストレーション。2日間で2回に分けて行い、両日ともに大盛況となりました。
杉本さんは、「一般の方々にお花の魅力を感じていただけるように心がけました。難しいデザインの事などは一切言わず、『お花を生けると癒されたり、素敵な気持ちになる、お花を普段から飾りましょう。』と伝えました。」と話し、フラワーロスの貢献になったと手応えを感じたようでした。
会場では、フォトコンテストを行うなど、写真を通してもお花の魅力を伝えることができたと思います。
今後も各地でスマフェスを実施しますので、お楽しみに!
スマフラフェスとは
スマフラフェスはコロナ禍によって生じたフラワーロス(花の廃棄問題)を解決するために活動しています。花卉(観賞用の花)の流通を促すことで、持続可能な生産者支援につなげ、花による賑わいの回復を狙っています。
また、花文化を広く発信していくことで、花を通じた新たな生活様式(ニューノーマルなフラワーライフ)を創出することを目的としています。